検索と生成AIの違いと使い方 —— はじめての RAG(検索拡張生成) 入門付き

こんにちは。

皆さん、「検索」と「生成AI」を上手に使いこなされていますか?
「検索」と「生成AI」の違いを正しく理解した上で生成AIを使いこなすと、正確な文書を作成できるようになります。
今日は、「検索と生成AIの違いと使い分け」また、日頃聞き慣れない仕組みだと思いますが、知っておくと役立つ「RAG」について簡単に解説します。


要旨

  • 検索は、知りたい情報を探すことです。

  • 生成AIは、集めた情報をもとに文書を作成したり、読みやすい文章に整える道具です。

  • RAG(検索拡張生成)は、検索と生成AIを一連の流れで活用する仕組みのことです。

1. 検索とは

  • ウェブや資料から、条件に合う情報を探します。

  • 見つけたページを自分で開いて内容を確認します。

  • 最新の出来事や正しい情報を確かめることに向いています。

強み:出典を直接確認/数字・日付・固有名詞に強い/期間絞り込みで最新に当たりやすい。
注意:ページ内容の信頼性や偏りは自分で判断が必要/読む手間がかかる。

2. 生成AIとは

  • 大量の文章を学習したモデルが「次に来る言葉」を予測して文章を作ってくれます。

  • 要約・言い換え・構成が得意です。例えば、用途(メール、提案書、議事録…)に合わせた文体に整えることができます。

  • ただし、常に自動でウェブを読んでいるわけではありません。以下の「※生成AIの検索について」を参照ください。

強み:長文の要点整理/文体・形式の調整/下書き作成が速い。
注意:最新の出来事に弱い場合がある/出典が曖昧なまま“それっぽい”文になることがあります。 → さらりと嘘を付くことがあるので、確認が必要です。

 ※生成AIの検索について

  • ChatGPT:必要に応じてウェブ検索を行い、関連ソースへのリンク付きで回答。検索アイコンから手動でONにすることもできます。

  • Claude:Web search toolで最新のウェブに直接アクセスし、出典を自動で引用します(手動でWeb検索をON/OFFできます)。

  • Gemini:ダブルチェックでGoogle検索と突き合わせ、文中を緑(突き合わせ結果に近い)/オレンジ(突き合わせ結果と異なる・見当たらない)などに色分けし、関連リンクを表示します。

3. 検索と生成AIを「一連の流れ」にするRAG

前述1と2で、「検索=条件に合う情報を見つける」、「生成AI=文章を作る・整える」という役割を説明しました。
実務ではこの「検索」と「生成AI」を連続して使う場面が多く、「先に根拠をそろえて(検索して)から、その根拠を前提に書かせる」という仕組みが必要になります。
この仕組みを実現する方法がRAG(Retrieval-Augmented Generation/検索拡張生成)です。

参考:RAGは技術的に表現すると『「人工知能モデル内の知識」と「外部の知識(人工知能モデル外の知識)」をつないで生成する仕組み』のことです。

RAGの手順(3ステップ)

  1. 探す(Retrieve):必要な資料(記事・PDF・社内文書)を検索して集める

  2. 添える(Augment):集めた資料を生成AIに渡す

  3. 書く(Generate):生成AIが集めた資料を根拠に文書など(要約・説明・比較表・他)を生成する

※RAGは「検索と生成AIの使い分け」を“手順として固定化”した方法と言えます。
 「1.生成させるのに必要な情報を探す → 2.探した情報を生成AIに渡す → 3.生成AIが2.を使って生成する」の順で、根拠あるアウトプットを作ることができます。
(但し、RAGを使えば常に正しい文書を生成できるという訳ではありません。必ず人間のチェックが必要です。)

※RAGの品質は“検索の質”に依存するため、生成に役立つ情報を上手に検索するための様々な工夫が必要です。(技術的な話になるため、ここでは割愛します)

4. 検索、生成AI、RAGの使い方の一例

A. 記事を根拠つきで要約する(検索 → 生成AI)

手順

  1. 検索で一次情報のページを開く

  2. 重要段落の引用範囲をメモ(見出し・段落番号など)

  3. 生成AIにURLと引用範囲を渡し「800字で要約+脚注」を依頼

  4. できた要約を原文で照合(数字・固有名詞・日付)

依頼文サンプル

このURLを800字で要約してください。重要な数字と固有名詞には、脚注でURLと段落番号を付けてください。専門外にも伝わる語彙で、です・ます調にしてください。

B. 社内資料から比較表を作る(RAG)

手順

  1. 必要な社内資料を先に収集

  2. 生成AIに資料一式を渡し、比較項目を指定(例:機能/価格/導入負荷)

  3. 出典列を表に必ず入れる(ファイル名・ページ)

  4. 行ごとに原文でスポットチェック

依頼文サンプル

添付の3資料を根拠に、A/B/Cの比較表(機能・価格・導入負荷)を作成。各セルに出典(ファイル名とページ)を入れてください。最後に判断の観点を3点と、短い推奨を100字で。

5. 豆知識

Q1. 生成AIは勝手にネットを読み続けていますか?
A. いいえ。多くのサービスは必要なときだけ外部検索や参照を行います。設定や挙動は上記「※生成AIの検索について」の通りです。サービス(ChatGPT、Claude、Gemini、他)によって異なります。

Q2. 生成AIの内容は常に正しいですか?
A. いいえ。もっともらしい文でも間違っていることがあります。ハルシネーションと呼びます。必ず、生成AIの生成した結果を確認しましょう。

Q3. 社内限定の資料を使う方法は?
A. RAGを使い、資料を生成AIに渡します。公開されていない情報でも根拠として活用できます。


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