【海外発・スタンフォード大学経営大学院(GSB)】AIが“退屈な作業”を引き受け、会計の仕事が変わる
本日は、AIを活用する上で税理士の皆様に参考になればと思い、GSB(Stanford Graduate School of Business : スタンフォード大学経営大学院)のInsights by Stahnford Businessの記事を紹介します。
記事のタイトルは「AI Is Reshaping Accounting Jobs by Doing the “Boring” Stuff」(公開:2025年6月26日)です。
記事の原文 : AI Is Reshaping Accounting Jobs by Doing the “Boring” Stuff | Stanford Graduate School of Business
どんなニュース?
研究は、AIを使う会計現場でスピードと品質が同時に向上している実態を示します。特に、月次の締めが平均7.5日早まる一方で、定型処理に割く時間が8.5%減るなど、AIが“作業”を肩代わりし、専門家はより価値の高い仕事にシフトできる点が強調されています。
要点
7.5日短縮:月次締めの完了が平均7.5日早い。
8.5%の時間再配分:定型バックオフィス作業に費やす時間が8.5%減少。
12%の“内訳の細かさ”向上:報告の粒度(明細レベル)が12%改善し、より情報量の多いレポートに。
データの裏づけ:会計士277名の調査と、AI会計ツールを使う中小企業79社の記録(詳細なタスクレベルの実データ)を組み合わせて分析。
リスク認識も明示:AIの誤りに懸念62%。さらにデータセキュリティ43%/雇用安定性37%の不安も示されています。
人とAIの役割
置き換えではなく“拡張”:AIが反復処理を担い、人は判断・レビュー・顧客対応に集中。スピードを上げつつ、報告の質(粒度)も上がる構図です。
現場設計のカギ:AIが出した提案の品質・確信度に応じて人が介入できる運用が前提。懸念比率(62%/43%/37%)が示す通り、人の監督が不可欠です。